AI起業の事例|元IT社長がReplitで3日、最初の契約は6通のメッセージ

AI起業の事例|元IT社長がReplitで3日、最初の契約は6通のメッセージ

AI 起業の事例として話題になった、アメリカの元IT社長の話です。AI はたった3日でソフトを丸ごと作りました。けれど、最初の契約を決めたのは、本人が知り合いの社長たちに送った6通のメッセージでした。AI が小さくしたのは「作る手間」で、「売る手間」は小さくならなかった。それがこの動画の結論です。

この動画は、アメリカ・ユタ州のジョン・チェイニー(Jon Cheney)さんと、彼の会社 GenAIPI の実話を紹介した回です。Masayume が試した結果ではありません。この記事は、Masayume AI Lab の動画「会社を手放した元IT社長が、AI起業した結果」(2026年10月公開・約16分)の内容を、AI起業の事例として要約したものです。Replit で何を作ったのか、なぜサイトの外で会社が契約したのか、「AIがやったこと/人がやったこと」の分け方までまとめます。数字はすべて本人の話(自己申告)で、外から確かめた記事は見つかっていません。

この動画で分かること

  • 元IT社長のジョンさんが、Replit と ChatGPT で3日のうちに作った物
  • サイトでは1つも売れなかったのに、サイトの外で会社が契約した理由
  • 前の2つの会社で、何がうまくいかなかったのか
  • 「AIがやったこと/人がやったこと/お金を払った人」の明細
  • 研修のあとに生まれた「社外のAI責任者」という仕事と、その後の会社の育ち方
  • AI 起業の事例から言える学び

3分で分かる動画の要約

2025年2月、自分が作った会社を手放した元IT社長のジョン・チェイニーさんは、LinkedIn で「AIで会社を作る」挑戦を公開で始めました。何を売るかも決めないまま、ChatGPT に自分をインタビューさせて事業計画を書かせ、別の AI の Grok にその計画を点検させます。そして、話しかけるとプログラムを書く AI「Replit」に、サイト・無料のテスト・有料の認定テスト・管理画面・決済までを作らせました。かかったのは3日です。

土曜の夜中に公開し、月曜の朝に見ると、テストに進んだ人は約150人。買った人は0人でした。決済の設定を間違えていて、誰も買えない状態だったのです。直すのに5分。けれどジョンさんは、直したサイトの前でお客さんを待ちませんでした。

ジョンさんは、会社を持っている知り合いの社長たちにメッセージを送ります。約6通目で、1人の社長から返事が来ました。「ちょうど社内でその話をしていた。電話できる?」。次の火曜、その会社が、社員の AI の力を測って教える仕事を契約します。そこから6週間、ジョンさんは会社に電話をかけ続け、仕事を広げていきました。

研修をした会社からは「教えて終わりではなく、残ってほしい」と頼まれ、毎月の契約で AI を進める「社外のAI責任者」という仕事が生まれます。前の会社では「お金を集めてから人を雇う」やり方で2度苦しんだジョンさんが、今回は「先に売ってから雇う」順番で会社を育てていました。動画の結論は、「AIが小さくしたのは作る手間。売る手間は小さくならなかった」です。

主人公は、会社を手放した元IT社長

主人公のジョン・チェイニーさんは、アメリカ・ユタ州に住む起業家です。大学で学んだのは中国語と会社の起こし方。卒業後は営業の仕事に就き、ピアノ店でピアノを売りながら最初の会社を作りました。本人いわく「コードは1行も書けない」人です(これと食い違う記事もあります)。

1つ目の会社:売るのは得意だった

2016年、ジョンさんは宝探しのイベントを開き、その夏のポケモンGOの流行を見て、スマホの画面に宝が重なって見える AR のアプリ「Seek」を作ります。コードを書いたのは共同創業者のエンジニアで、本人は「自分はただのビジネス担当」と言います。ただ、売るのは得意でした。大きな会社への売り込みでは、自分の言った額より高い額を返されたと話しています。

お金を集めて、人を雇って、作らせる。これが、彼の知っている会社の作り方でした。そして同時に、自分で客を取ってくる人でもありました。

どん底の展示会で、会社を立て直した

2018年、まとまりかけた出資から、投資家が同じ週に4人抜けます。社員は26人から3人に減りました(本人の話。当時の記事では21人から6人)。本人いわく、成長より先に社員を雇いすぎていて、社員と家族の暮らしが全部自分の責任だと感じたそうです。

それでも、前からの投資家の一部が支えてくれました。ジョンさんは残ったお金の大半を1つの展示会にかけ、約10社のお客さんをつかみます。その後、お金を集め直し、社員は50〜60人まで戻りました。会社はその後 NFT の分野に向きを変え、2023年1月にジョンさんは社長を降ります。大きな買収の話を断ったことについて、本人は「正直、つらかった」と振り返っています。

2つ目の会社でも、同じ重さ

次の会社はチケット販売のソフトでした。ここでも開発者を雇ってコードを書かせ、給料を払い続けるのが大変だったと本人は言います。「お金を集めて、人を雇って、作らせる」やり方は、2度重くなりました。

20分で動く形に:AIとの出会い

2024年の秋、まだ次の会社を経営していたジョンさんは、話しかけるとプログラムを書く AI「Replit」を知ります。旅の SNS アプリを作る見積もりを、前の会社が使った開発会社に頼むと、大きな額の見積もり書が返ってきました。その見積もり書を Replit に入れて「これを作って」と頼むと、約20分で動く形ができたそうです。

ここから4〜5か月、ジョンさんは遊びや頼まれ仕事で、AI でソフトを作り続けます。つまり、挑戦を始めた日に初めて AI を触ったわけではありません。

そしてもう1つ、大事な気づきがありました。周りの社長たち、たとえば建設や牧場の会社を大きく育てた社長たちが、AI のことをほとんど知らなかったのです。この社長たちが、のちの「火曜の契約」につながります。

3日で作ったもの:ReplitとChatGPTの分担

動画のスライド「3日 AI/人の分担」。ChatGPTのインタビューと計画、Grokの点検、Replitで作ったサイト・テスト・決済・管理画面の箱のうち、Replitの箱を赤い四角で囲んでいる
3日のうちに、AI と本人がそれぞれやったこと。ソフトを作ったのは Replit(動画の 7:03 ごろ)

2025年2月27日の朝、ジョンさんは LinkedIn で公開の挑戦を始めます。3日の流れは、次のとおりです。

担当やったこと
ChatGPTジョンさんに2〜3時間インタビューし、約2,000単語の事業計画を書く
Grok(別のAI)その計画をたたいて、穴を探す
Replitサイト、無料のテスト、40問の有料の認定テスト、オンラインの授業への流れ、管理画面、決済まで
ジョンさん本人何を売るかを決める。その間に会社の登録、銀行口座、SNS のページを作る

かかった時間は、3日で約35時間。作った流れの入り口は、無料の「AIのIQテスト」です。点が低い人には学ぶコースを、高い人には認定テストをすすめる形にしました。Replit の使い方として見ると、「計画は ChatGPT、点検は別の AI、作るのは Replit」と、道具ごとに役割を分けているのが分かります。

土曜の夜中に公開して日曜は休み、月曜の朝に見ると、テストに進んだ人は約150人、買った人は0人。原因は決済の設定ミスでした。直すのに5分。別の番組ではテストモードのままだったとも話していて、買う気の人がどれだけいたのかは分かりません。

6通のメッセージ:会社が契約した理由

動画のスライド「答え合わせ」。1自分は営業の人間だ、2どん底の展示会で客を取って立て直した、3メッセージを送れる社長の知り合い、の3つのうち3つ目を赤い四角で囲んでいる
なぜ会社は契約を決めたのか。動画の読みは3つ(動画の 8:49 ごろ)

設定を直した直後、ジョンさんはサイトでお客さんを待つのをやめました。挑戦の途中は LinkedIn で全部を見せていて、「まだお客さんはいない」ことまで書いていました。そして、会社を持っている知り合いの社長たちにメッセージを送ります。

売り文句は「社員全員の AI の力を測って、計画を作ります」。本人いわく、「乗り遅れたくない」という気持ちに訴える売り方です。約6通目で、ある社長から返事が来ました。「ちょうど社内でその話をしていた。電話できる?」。社員が数百人の会社でした(別の番組では約150人)。

次の火曜、この会社は、社員の AI の力の測定と対面の研修を契約します。相手は、本人いわく何度か顔を合わせた程度の地元の社長でした。動画は、会社が契約を決めた理由を3つ読んでいます。

  1. ジョンさんが「売る人」だったこと:本人の言葉で「自分は営業の人間だ」
  2. どん底から立て直した経験:展示会で自分で客を取り、会社を立て直した
  3. メッセージを送れる社長の知り合いがいたこと:コメント欄では「今のお客さんで、前から僕を知っていたのは1人だけ」とも書いています

そこから6週間、ジョンさんは会社に電話をかけ続け、研修の仕事を広げていきました。

AIの仕事の明細:AIがやったこと、人がやったこと

動画のスライド「AIの仕事の明細」。AIがやった、人がやった、払った人の3つの欄のうち、人がやった欄(何を売るか決める・会社の手続き・リンクトインの毎日の投稿)を赤い四角で囲んでいる
「人がやった」の欄。LinkedIn の毎日の投稿に AI は使っていない(動画の 9:46 ごろ)

動画は、この会社づくりを「AIがやったこと/人がやったこと/お金を払った人」の3つに分けて整理しています。

AIがやったこと人がやったこと
ChatGPT:計画何を売るか決める
Grok:計画の点検会社の手続き
Replit:サイト・テスト・決済・管理画面LinkedIn への毎日の投稿(本人いわく AI は使わない)
広告の素材・規約の文6通のメッセージと6週間の電話、研修で教えること

あの火曜、AI は何も売っていません。そして、ここまでにお金を払ったのは、どれも会社でした。

「個人向けの授業が本業では?」という疑い

このチャンネルで一番多かった疑いにも、動画は正直に答えています。ジョンさんの会社には、個人向けのライブのオンライン授業があります。自己啓発で有名な人のイベントにも出ていて、Replit の広告にも出演し、無料で使える枠をもらっています。動画は「ここまでは疑われても仕方がない」と認めたうえで、「この動画はジョンからも Replit からもお金を受け取っていない」と伝えています。

一方で、本人の話では、それまでの売上のうち個人がサイトで払った分はごく一部でした。ただ、別の時期の話とは数字が合いません。だから動画は「個人向けの商品ではない」とは言い切りません。言えるのは、最初の契約も、その後の月ごとの契約も、払ったのは会社だったということです。

4か月目:「社外のAI責任者」という仕事

動画の場面。雪山の前の会社の建物の横に「教えて終わりではなく、残ってほしい」という言葉。言葉の枠を赤い四角で囲んでいる
研修をした会社から「残ってほしい」と頼まれた(動画の 11:23 ごろ・3DCG のイメージ映像)

研修をした会社から、ジョンさんは「教えて終わりではなく、残ってほしい」と言われます。そこで作ったのが「社外のAI責任者」という肩書きです。本人いわく、その場で考えたそうです。最初の研修は1回きりでしたが、今度は毎月の契約になりました。

売り方は、「会社が1割伸びれば、この料金は安い」というものです。最初の月ごとのお客さんは、元ご近所のプールの会社でした。その後、6〜7社に電話をかけ、約半分が決まったと本人は話しています。AI コンサルタントの仕事を、「1回の研修」から「毎月そばにいる係」に変えたことになります。

その後:お客さんの会社でAIがしている仕事

最初のころのお客さんは、塗装、プール工事、石の工事の会社など、技術の責任者がいない会社が多かったそうです。動画は、AI が今お客さんの会社でしている仕事を1つ紹介しています。

カリフォルニアの人材派遣の会社では、事故の相談の電話の9割以上が「状況はどう?」という確認でした。そこを、声で答える AI に任せます。担当は3人から1人になり、2人は別の仕事に移りました(辞めさせてはいないそうです)。対応にかかる日数も短くなったと本人は話しています(別の番組では、日数が少し違います)。

動画の場面。社内でも「ジャービス」と呼ぶAIの画面。営業先を探す・連絡先・メールの下書きの3つの作業を赤い四角で囲んでいる
ジョンさんの会社の中でも、「ジャービス」と呼ぶ AI が営業の下準備をしている(動画の 13:43 ごろ・イメージ)

ジョンさんの会社の中でも、「ジャービス」と呼ぶ AI が、営業先を探し、メールの下書きや請求書まで作っています。

「先に売ってから雇う」順番

動画のスライド「ここが前の会社と逆です」。前の会社は「お金を集める→雇う」、今回は「5日目から黒字・先に売る」。今回の箱を赤い四角で囲んでいる
前の会社は「お金を集めてから雇う」。今回は「先に売ってから雇う」(動画の 14:05 ごろ)

社員は、最初の約半年が0人。2026年3月に5人、5月末には27人、始めて18か月で28人になりました。動画の読みでは、ここが前の会社と逆です。前は、お金を集めてから雇った。今回は、本人の話では5日目から黒字で、先に売ってから雇いました。

ただし、気をつける点もあります。続けて入るお金の数字は、ほぼ同じ時期の番組で約2倍も違い、会社の値打ちの数字も2倍ずれています。そして、売上を外から確かめた記事は1本もありません。売上の数字は、すべて本人の話です。

AI起業の事例から言える学び

動画の最後で、Masayume はこの話をこう読んでいます。

  • AI がやったのは、商品を形にするところまで:3日で、テストのサイトができました。作るのにかかる時間とお金は、ぐっと小さくなりました
  • それを最初の契約に変えたのは、6通のメッセージ:仕事を広げたのは、その後6週間の電話でした
  • AI の明細には書けない1行:本人は「僕は特別な人間じゃない」と言います。けれど、何十人を雇い、会社を手放した経験は、AI の明細には書けない1行でした

AI が小さくしたのは、作る手間。売る手間は小さくなりませんでした。ちなみにジョンさんが今雇いたいのは、10年20年と商売をしてきて、1回か2回は失敗したこともあるような人だそうです。

よくある質問

AI起業の事例で、AIは何をしてくれましたか?

この事例では、ChatGPT が事業計画、Grok が計画の点検、Replit がサイト・テスト・決済・管理画面を作りました。何を売るかを決めること、会社の手続き、LinkedIn への投稿、知り合いの社長へのメッセージと電話、研修は、本人がやっています。

Replitとは何ですか?使い方は難しいですか?

Replit は、話しかけるとプログラムを書いてくれる AI の開発サービスです。この事例では、旅の SNS アプリの見積もり書を入れて「これを作って」と頼むと、約20分で動く形ができたそうです。ただし、ジョンさんは挑戦の前に4〜5か月、遊びや頼まれ仕事で使い続けていました。

AIで作ったサイトだけで、お客さんは来ますか?

この事例では、公開したサイトから買った人は0人でした(決済の設定ミスのため)。最初の契約は、サイトの外で、知り合いの社長に送ったメッセージから決まっています。作るのは AI でも、届ける相手は人が持っておくことが大事です。

社外のAI責任者とは、AIコンサルタントと何が違いますか?

動画では、研修のように1回で終わる仕事ではなく、毎月の契約で会社のそばに残り、AI の使い方を進める係として紹介されています。研修をした会社から「残ってほしい」と頼まれて、ジョンさんがその場で考えた肩書きです。

まとめ

  • 元IT社長のジョンさんは、ChatGPT・Grok・Replit を使い分け、3日でテストのサイトを作った
  • サイトでは1つも売れず、最初の契約は知り合いの社長への6通のメッセージから決まった
  • 研修のあと「社外のAI責任者」という毎月の仕事が生まれ、会社は「先に売ってから雇う」順番で育った
  • 数字はすべて本人の話で、外から確かめた記事はない
  • AI が小さくしたのは作る手間。売る手間は人の側に残る

もし AI で何かを作ったら、最初の6通を誰に送るかを、作る前に書き出してみてください。

出典

動画の中の発言は、次の公開情報をもとにしています(動画の調べた日:2026年10月28日〜29日)。

  • The Koerner Office(YouTube・2026年3月29日):番組
  • The Koerner Office(YouTube・2026年6月4日):番組
  • Lurking AI Podcast(YouTube・2025年6月25日):番組
  • The Next New Thing(YouTube・2026年4月23日):番組
  • Utah Business(2026年4月9日):GenAIPI の記事
  • KJZZ(2025年5月7日):ニュース記事
  • PR Newswire(2025年6月10日・GenAIPI の発表):発表
  • Replit の事例ページ(Replit の宣伝ページ):GenAIPI
  • GenAIPI 公式サイト:genaipi.org

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