コードを書いたことがない人でも、AI のコーディングツール Cursor を使えば、本物の道具を作って売り出せるのか。カナダの会社員ハサーム・バッティさんは、AI で作ったアプリが10個以上ボツになったあと、物販の塾に「48時間ください」と持ちかけ、商品リサーチの道具「Launch Fast」を作りました。
この動画は、ハサーム・バッティさんの実話を紹介した回です。Masayume が試した結果ではありません。この記事では、Masayume AI Lab の動画(2026年10月公開・約15分)の内容を、本人の発言と公開されている記録に沿って要約し、本人が話した「もう一度ゼロから始めるなら」の6つの手順をまとめます。
この動画で分かること
- コードを書いたことがない会社員が、AI でアプリを作り始めたきっかけ
- 作ったアプリが10個以上ボツになった理由
- 「48時間ください」から、Launch Fast が世に出るまで
- 道具が売れた本当の理由(AI より、売る相手がいたこと)
- 本人が話した「もう一度ゼロから始めるなら」の6つの手順
3分で分かる動画の要約
ハサーム・バッティさんは、カナダのトロントに住む会社員です。本業は人材採用の仕事で、副業でアマゾンの物販(自分のブランドの商品を売る形)をしていました。売れそうな商品を1つ調べるのに、表に手で数字を貼りながら20〜30時間かかっていたそうです。
2025年、彼は AI のコーディングツール Cursor を知り、コードを書いたことがないまま、AI にプログラムを作らせ始めます。ところが、作ったアプリは10個以上、どれも世に出せずにボツ。本人の答えは「自分がいないお客さんに向けて作っていたから」でした。
そこで彼は、自分がよく知る物販の人たちに向けた道具を計画し、通っていた物販の塾に「48時間ください。気に入ったら組みましょう」と持ちかけます。48時間で作り上げた道具が「Launch Fast」です。最初のお客さんは、塾の会員でした。
動画の最後で、本人は「もう一度ゼロから始めるなら」として6つの手順を話しています。Masayume は、その中で一番大事なのは1つ目の「自分が深く知っている分野を書き出す」だと考えています。なお、動画で紹介している売上などの数字は、すべて本人の自己申告で、第三者の確認はありません(この記事では数字を書きません)。
コードを書けない会社員が、AIでアプリを作り始めた
ハサームさんの副業は、アマゾンの物販です。仕入れた品をそのまま売る「せどり」ではなく、工場に作ってもらった商品に自分のブランドを付けて売る形で、商品を預かってお客さんに送るところまではアマゾンが代わりに行います。
この仕事で一番時間がかかっていたのが、商品選びです。売れそうな商品を1つ調べるのに、表に手で数字を貼りながら20〜30時間。商品選びを間違えて、大きな損をしたこともあると本人は話しています。
きっかけは、SNS で知った Cursor(AI がプログラムを書くのを手伝ってくれるソフト)でした。2025年2月、彼は車の中から遠隔操作で家のパソコンにつなぎ、AI にプログラムを作らせていたといいます。コードの経験がゼロのまま、1週間・50時間の失敗の末に、やっと動いたそうです。
AIで作ったアプリが10個以上ボツになった理由

そこから先は失敗の連続でした。AI の動画、求人への応募の自動化、曲の歌詞の動画。作ったアプリは10〜12個で、どれも世に出すところまで行きませんでした。本人はこの山を、プログラムの置き場所の名前にかけて「GitHub の墓場」と呼んでいます。
なぜ全部ボツだったのか。本人の答えは、自分がいないお客さんに向けて作っていたからです。AI の動画も、応募の自動化も、使う人が本当は何を欲しいのか分かっていませんでした。
一方、アマゾンの物販の世界は違いました。新しい売り手がどこでつまずき、どんなデータを欲しがるか、最初から最後まで分かっていた。表に数字を貼り続ける物販の人たちに向けて、彼は1つの計画を立てます。
「48時間ください」から Launch Fast ができるまで
48時間は、ゼロからではなかった

2025年6月、彼は「アマゾン物販向けの AI ツールの市場調査」という計画のメモをネットに置いています。物販の仲間2人には下書きも見せていました。つまり、このあとの48時間はゼロからではありません。準備を重ねたうえで、48時間で形にした。これが正確な言い方です。
ただ、足りない物が2つありました。お客さんと、売る場所です。そこで連絡したのが、2年ほど前に入った物販の塾(今の名前は LegacyX)でした。持ちかけた言葉は「48時間ください。気に入ったら組みましょう」。気に入らなければ、塾は何も失いません。道具の持ち分は手放すことになるかもしれない。それでも、狙うお客さんにすぐ届くと考えたそうです。
48時間の使い方

本人の話では、48時間の内訳は次のとおりです。
| 時間 | やったこと |
|---|---|
| 最初の4時間 | コードは1行も書かない。塾の手順やデータを読み、自分のやり方と照らし合わせる |
| 次の8時間 | 道具の中心の部分を作る |
| そのあと | 不具合を直す |
| 約10時間 | 見た目とブランド(物販の仕事で「ブランドがすべて」と学んでいたため) |
| 最後 | 細かいテスト。仕上げて、紹介の動画を撮って送る |
次の日の朝、彼は電話の音で目を覚まします。本人はこの誘いに「かける価値があった」と振り返っています(電話の相手と日付は、記録には残っていません)。記録に残っているのは、2025年7月18日にこの道具のネット上の住所が登録されたこと、そしてその約10分後に、彼が「コードが分からない状態から8か月で、この分野のフルタイムの仕事に」と投稿したことです。
そして2025年7月、「Launch Fast」が世に出ます。売れそうな商品を探して確かめ、仕入れ先まで見つける。何週間もかかっていた作業を数分で終わらせる道具だと、本人は説明しています。最初のお客さんは、塾の会員でした。
売れた理由は、AIより「売る相手」がいたこと
「結局、塾の会員に道具を売っただけじゃないのか」と思う人もいるはずです。動画では、そう見える材料も紹介しています。出したときのサイトの名義は塾で、今も Chrome のストアの作者の欄は塾の名前です。
一方で、これはもうけ方を売る商品ではなく、お金を払って使う調べ物の道具です。塾は収入の約束は一切しないと書いています。道具の点数の付け方は塾の講師が育てた指標で、コードは彼が書いた、と本人は言います。
本人もこう書いています。「1つのアイデアに絞って、売り先を持つ友人たちと組んだ」。取材の動画では、さらにはっきり「自分の時間を削るより、人の売り先を借りる方をいつでも選ぶ」と話しています。Masayume の答えは、彼が売っていたのは夢ではなく道具。そして強かったのは、AI より、最初から売る相手がいたことです。
その後
- 秋には、解約しようとする人に本人と話せる通話をすすめ、やめる人の割合が15%から12%に下がった(本人談)
- プログラムの更新を813回重ねたあとで、「ノリで作るのをやめて、仕組みを作り始めた」と投稿
- 週末には、コードを知らない友人たちに AI でアプリを作る方法を教えている
- 自分の物販では、新商品の判断を Claude に任せた。本人は「AI が代わりになったんじゃない。自分の知恵を手順にしたから動いた」と書いている
- 別の製品の技術の責任者になり、お母さんのために、毎日1つ言葉が届くスマホのアプリも作った
もう一度ゼロから始めるなら:6つの手順

取材の終わりに、本人は「今日ゼロから始めるなら」として、6つの手順を話しています。
- 深く知っている分野を3〜5つ書き出す:それも、自分で問題を解いたことがある分野
- もう売れている道具がある市場を探す:お金になっているなら市場はある。新しい思いつきはいらない。売れている市場で、もっとうまくやればいい
- お客さんが集まる場所で、悩みを深く調べる:掲示板・SNS のグループ・口コミのサイト。誰が使い、何を目指し、今の道具のどこに不満があるのか
- 最初の試作品は、機能を1つだけ作る:効果が一番大きく、一番作りやすい機能を1つ。出来栄えは気にしない。動けばいい。早く使う人の手に渡す
- お客さんをゼロから集めない:もうお客さんに届いている人(塾・コミュニティ・発信している人)を探し、試作品を見せて組まないかと持ちかける。今週中に組めそうな相手を5つ書き出し、3つに連絡する
- 出したら毎日直す:使う人の声と不具合から学び、これから30日、毎日最低1つ良くする
作るときに使った道具

| 道具 | 役割 |
|---|---|
| Cursor | コードを書く(AI のコーディングツール) |
| Vercel | サイトを置く |
| Supabase | データを置く |
| Resend | メールを送る |
| Apify | データを集める |
本人の話では、お金がかかるのはほぼ Cursor だけです。AI に指示してコードを書いてもらう、いわゆるバイブコーディングでも、置き場所や送信の道具を組み合わせれば、本物のソフトとして動かせることが分かります。
本人の手順の締めくくりは、「もうエンジニアでなくても、本物のソフトは作れる。1つのことに1000時間かけて、しっかり試して、自分の知恵を入れればうまくいく」でした。昔の自分に何と言うかと聞かれて、「今週末に何か1つ出す。少なくとも10人に見せて、声を聞いて、直して、また出す。止めているのは自分だけだ」とも答えています。
Masayume が持ち帰りたい3つのこと
「1000時間かければうまくいく」というのは本人の言葉で、Masayume はそこまでは言い切れません。それでも、持ち帰りたいことが3つあります。

- 自分がいるお客さんに向けて作る:10個以上のボツは、どれも知らないお客さんに向けた物でした
- お客さんがいる場所に、先に話を持っていく:彼の場合は、通っていた物販の塾でした
- 48時間の前には準備があり、出したあとには毎日の手直しがある:813回の更新も、その一部です
彼にとっての1つ目の手順は、表に数字を貼り続けた、あの20〜30時間でした。あなたが毎週、手で繰り返している作業は何でしょうか。
よくある質問
非エンジニアでも、Cursor でアプリは作れますか?
この事例では、コードを書いたことがない人が Cursor で AI にプログラムを書かせ、道具を作って世に出しています。ただし、最初の10個以上はボツでした。作れるかどうかより、誰に向けて作るかが結果を分けています。
Launch Fast とはどんな道具ですか?
アマゾンで自分のブランドの商品を売る人向けの、商品リサーチの道具です。売れそうな商品を探して確かめ、仕入れ先まで見つける作業を短くします。物販の塾 LegacyX と一緒に持っている道具で、Chrome の拡張としても使われています。
AI でアプリを作る副業は、何から始めればいいですか?
本人の6つの手順では、まず「自分が深く知っていて、自分で問題を解いたことがある分野」を3〜5つ書き出すことから始めます。次に、もう売れている道具がある市場を選び、お客さんの悩みを調べてから、機能を1つだけ作ります。
まとめ
- コードを書けない会社員が、Cursor で AI にプログラムを書かせ、48時間で物販向けの道具「Launch Fast」を作った
- その前には、10個以上のボツと、数か月の準備があった。ボツの理由は「自分がいないお客さんに向けて作っていた」
- 売れた理由は、AI より、最初から売る相手(物販の塾)がいたこと
- ゼロから始めるなら6つの手順。最初は「自分が深く知っている分野を書き出す」
まずは、自分が深く知っていて、自分で問題を解いたことがある分野を、3つ書き出してみてください。
出典
動画の調べた日は2026年10月21日です。売上などの数字は、すべて本人の自己申告です。
- Starter Story の取材動画(2026年1月4日公開):YouTube
- Indie Hackers の記事:Building a product in 48 hours
- ハサーム・バッティさんの X:@hasaamb
- GitHub の計画メモ(2025年6月):amazon-fba-ai-saas-research
- Launch Fast の更新履歴:changelog
- LegacyX の公式サイト:legacyxfba.com
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